5人姉妹の子育て奮闘記

『これでさやかも安心だな』次女の結婚式を無事に終えて嫁にそう告げると、
『これからが大変やわ』との返事。心配の種は8月末に生まれて来る初孫である。

次女が嫁ぎ孫も生まれると書きましたが、私は娘5人に恵まれた父親です。
今では娘たちも大きくなり手も掛からなくなりましたが、振り返えると色々とございました。
『立派に育て上げて』などと言って頂ける事もありますが、育て上げてくれたのは偉大な嫁でございます。

私のサラリーマン人生は製薬会社のMRで始まりました。30年前は連日連夜の接待で帰宅も遅く、結婚当初から深夜まで嫁さん1人が多い家でした。

そんな中、一人目の娘が生まれた時に『娘の風呂は出来る限り俺が入れる』という目標を立てました。最初の頃の沐浴はビビリまくりでしたが、二人目以降は洗面台にお湯を溜めて洗面所で済ませるという技を編み出しました。私の母親にそれを目撃された時は驚かれ、それはそれは怒られましたがすごく楽ですので一度お試し下さい。沐浴が終わると上の娘たちと風呂に入ってから飲み屋街に出掛ける事も珍しくありませんでした。

こんな環境の中でしたが、嫁が家を守ってくれたお陰で娘達は大きな病気や怪我もせず健やかに育ってくれました。

我が家にとって一番の事件は2001年に起きました。
長女と次女は小学生、三女は幼稚園生、四女は三歳、五女は生後八ヶ月で嫁の朝は毎日戦争でした。好き嫌いを言い朝ごはんを残しては怒られる長女と次女、三女と四女は嫁に甘えられず泣き叫び、五女はお腹空いたとミルクを要求し、その中で幼稚園に持っていく弁当を作る嫁さん、何とカオスな光景でしょう。

嫁はこの頃、娘達を大人しくさせるために朝はリビングのテレビでアニメを観せておりました。
さて今でこそ番組の始まりには『テレビを見るときは部屋を明るくしてテレビから離れて見てください』とテロップが流れますが、その理由はご存知でしょうか?1997年、とあるアニメで一部の子供たちに光過敏性発作が起きる、という事故があったからです。
それは我が家も例外ではなく、アニメを見ている最中、三女が泡を吹いて意識を失ってしまいました。直ぐに誰かが気が付いたら良かったのですが、数分意識を失っている間に脳が腫れてしまいそのまま救急車で近くの病院に運ばれました。

何度も私の携帯に嫁から着信があり、折返し電話すると『泡吹いて...死んでるかも知れない』と聞かされ私も頭が真っ白に!
結局、三女は脳の腫れが引くまでの1週間は入院となり、その間は嫁も付き添う事となったので、会社を休み長女・次女の面倒を見ることになりました。

その1週間は朝から弁当作り・ごはんの用意・洗濯・掃除・幼稚園の送迎・病院への見舞い・入浴、五女へのミルクで本当にクタクタになりました。これを毎日こなす嫁は本当に偉大だと痛感しました。

その後三女は無事に退院したものの2週間で再度失神し、また入院することになりました。そこで聞かされた病名は『てんかん』でした。発作が起きては入退院の繰り返しで、小学校進学後も発作が起きては先生に病院に運んで頂き慌てて駆けつけるの繰り返しでした。大変な日々でしたが『成長と共に治るから』という主治医の言葉を信じ続けました。

小学校に入り発作の回数は減りましたが、突然発作で倒れる娘は同級生には理解されずイジメの対象になっていることを嫁に聞かされたときはショックと怒りで一杯になりました。
風呂で娘の背中を洗いながら『もし、イジメる奴がいるならパパがぶっ飛ばしに行くから』と言うと、笑いながら『そんな事したらうちがもっとイジメられるやんか。あいつら嫌いやけどもう直ぐクラス替えもあるから大丈夫やで。本当に酷いことされたら、先生にその時は言うわ』という娘の言葉を聞いて、私よりずっと大人のコメントに驚き私は我慢することにしました。
結局小学校3年生で発作は収まりその後イジメには遭わなかったそうです。

三女のてんかんでドタバタしていましたが、四女・五女も小学校に上がり、私達は校区内ではそれなりに知られた大家族となっておりました。
三女の持病で嫁が病院に泊まる事が多かったせいか、次女は完全にリトルママになっておりました。オムツ替えとミルクを任せると、小学校低学年とは思えない手際の良さでした。
五女はお姉ちゃん達のお人形さんになってしまいましたが、大きくなるにつれてはしゃぎ過ぎるところがあり、幼稚園に上がるときには病院で顔や頭を合計20針以上縫ってもらっている女ブラックジャックになっておりました。

子育てに関してはあと1年で全員大学卒業を迎え、やっと終わりかなと思っていますが、今思えば本当に大家族で良かったと思っております。
5人の娘達1人1人に十分な愛情を注ぎ不自由なく育てられたかは分かりません。我慢を強いることもありましたが、姉妹仲良く親想いの娘に育ってくれたことを嬉しく思っています。

これから嫁さん孝行をして行こうと思っていた矢先に次女のご懐妊。で、5人娘が全員嫁いで2人ずつ子供が生まれたら10人!
その孫達の面倒を見ることになったらどうなるんだろう...心配なような、楽しみのようなそんな思いを抱く今日この頃です。

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